エンタープライズID管理コラム
SSO対応でID管理の最大の課題「複雑化」は解消する?〜数字で見るID管理2024
ID・アカウント管理における大きな課題となっているのが「複雑化」です。今回は、この複雑化に関するアンケート結果を紹介するとともに、SSOの対応状況と合わせて考えることで得られた結果についてもご紹介します。
ID・アカウント管理、最大の課題は「複雑化」
ID・アカウント管理で感じている課題について聞いたところ、43.4%が「複雑化」と回答し最多となりました。これは前回調査でも同様の傾向を示していることから、企業規模を問わずに継続的に抱えている課題と考えられます。
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その理由の1つとしては、クラウド利用の増加などに伴いID・アカウント管理が複雑化することなどが挙げられますが、もちろんこれだけではなく、人材不足や組織、従業員数などさまざまな要因が絡み合って複雑化が生まれているものと考えられます。
「複雑化」の実態をSSO対応状況から探るために
そこで1つの試みとして、「複雑化」を課題としているのはどのような企業なのかを考えるために、SSO対応状況を切り口に考えてみたいと思います。SSO利用はクラウドシフトに伴い増加する傾向があることや、その導入利用を推測するとID・アカウント管理の効率化を進めているものと考えられることから、SSO利用状況を1つの指標としました。
まず、SSOの導入状況を企業規模別に見ると、大手企業では70.3%、中堅企業では62.4%、中小企業では40.5%となっています。
この「利用している」と回答した企業を、さらに「自社のシステムにおけるSSO対応状況」をもとに、次の3つグループに分けました。(右記グラフ参照)
- Aグループ:
SSO浸透(8割以上のシステムがSSOに対応) - Bグループ:
SSO利用拡大中(3〜8割未満) - Cグループ:
一部利用(2割未満)
これら3つのグループに分けて、上記の「ID・アカウント管理で感じている課題」について考えます。
SSO浸透グループほど「複雑化」をはじめ課題を感じていない傾向
SSO対応状況グループ別に、「ID・アカウント管理で感じている課題」を見てみると、全体的にAグループ(SSO浸透)は課題と感じている割合が低い傾向があることがわかりました。最大の課題である「複雑化」では特に顕著で、Cグループが60.4%であるのに対しAグループは29.0%と大きな差を付けました。その他、「特に課題は感じない」ではAグループは40.4%と高いことがわかりました。
この結果を見ると、SSO対応が進んでいる企業は、ID・アカウント管理に関する課題が少ない傾向があることがわかりました。もちろん、SSOを導入することで課題が解決するわけではなく、SSOを利用しようとする過程でさまざまな課題解決に取り組むことになると考えられますが、SSO対応が1つの着目点となることがわかる調査結果でした。
まとめ
今回は、ID・アカウント運用管理の実態調査のうち、最大の課題である「複雑化」とSSO対応状況の関連性について考えました。なお、下記の資料では、今回取り上げた、3つのSSO対応状況グループとほかの調査結果との考察も掲載していますので、興味のある方はダウンロードしてご一読ください。ほかにもさまざまなID・アカウント管理に関する調査結果をご覧いただけますので、自社のID・アカウント管理に役立ててみてください。