エンタープライズID管理コラム

ID管理の課題と取り組みたいことTOP3 ~数字で見るID管理2023

ID・アカウント管理の担当者に課題を聞いたところ、最大の課題は「管理の複雑化」という結果になりました。今回は、担当者が直面している課題や管理が複雑化している実態について、2022年に調査したアンケート結果の内容をもとに考えてみましょう。

企業規模を問わず抱える「ID・アカウント管理の複雑化」という課題

日々の業務でIDやパスワードの利用を意識しない日がありませんが、それを運用管理する担当者にとって、まだ多くの課題が残されているようです。「自社のID・アカウント管理で感じている課題」を聞いたアンケート結果のTOP3を企業規模別に見てみると次のような結果になりました。

クラウド利活用時代の、日本企業のID・アカウント運用実態調査2022

1位 2位 3位
大手企業 管理が複雑化 運用管理業務に多くの時間が割かれている 担当者依存・ブラックボックス化
中堅企業 管理が複雑化 運用管理業務に多くの時間が割かれている 追加・削除などの申請ルールが不徹底・煩雑
中小企業 管理が複雑化 共有ID・アカウントの存在 追加・削除などの申請ルールが不徹底・煩雑

企業規模を問わず「管理が複雑化」が最多で、大手企業45.3%、中堅企業35.6%、中小企業41.3%という結果となりました。中小企業は特に課題が多い傾向があり、「共有ID・アカウント」など、中堅〜大手企業では解決していると見られる課題が、上位に入っていました。一方で、中堅〜大手企業では「運用管理業務に多くの時間」が必要となっていることが課題として挙げられていることから、増加するIDの管理の効率化に苦慮している様子が伺えます。


これからID・アカウント管理で取り組みたいことTOP3は?

次に、「今後、自社のID・アカウント管理で実施したい内容」についてTOP3を見ていきましょう。まず、1位となったのは、いずれの規模の企業でも「ID・アカウントの棚卸」でした。2位は中堅および中小企業では、「ID・アカウント運用ルールの策定」、大手企業では「ID運用のアセスメント」となっていました。

1位 2位 3位
大手企業 ID・アカウントの棚卸 ID運用のアセスメント IGAID管理+IDガバナンス
特権ID管理
中堅企業 ID・アカウントの棚卸 ID・アカウント運用ルールの策定 ライフサイクル管理
中小企業 ID・アカウントの棚卸 ID・アカウント運用ルールの策定 ID・アカウント管理システムの導入

しかし、ID・アカウントの棚卸といっても、その規模によって内容は異なるものと考えられます。すでにID管理ツールなどを利用し管理している企業における棚卸は、登録・運用されているIDの更新や削除が漏れなく運用されていることを確認する業務となります。一方で、ID・アカウントルールが未策定で、一元管理できていない状態における棚卸とは、管理のための準備と考えられます。

それを裏付けるように、ID・アカウントの棚卸の定期的な実施状況を見ると、中小企業では「実施していない」が18.9 %で、「すべてのシステムで実施」が22.6%という状況でした。大手・中堅企業では多くのシステムで棚卸を実施できていることがわかりました。


まとめ

今回は、ID・アカウント運用管理の実態調査から、担当者が抱えている課題について見てきました。ID管理の担当者が直面している課題や実態について、さらに詳しい内容を知りたい方は、下記の資料がおすすめです。ID管理の課題やその背景を解説したコラムも掲載され、今後のID管理を考える上でも必読の資料といえます。ぜひ、ダウンロードしてご一読ください。

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