導入事例

学校法人城西大学 城西国際大学
Vol.7学校法人城西大学 城西国際大学

コロナ禍を機に大きく変化した教育環境を支える 新たな統合ID認証基盤をExticで実現

2022年に創立30周年を迎えた城西国際大学。緑豊かな千葉東金キャンパス、超都心に位置する東京紀尾井町キャンパスの2拠点を中心に、人文・社会科学系の経営情報・国際人文・メディア・観光、健康科学の薬学・看護・理学療法・福祉など、それぞれの特長を生かした文理融合型のユニークな学びを展開。国際社会に欠かせない人材を輩出し続けている。コロナ禍を機に授業のハイフレックス化やSaaS利用の増加など、かつてない環境変化に直面した同学では今回、Exticを採用。次世代のデジタルな学びを支える新たな統合ID認証基盤整備を実施した。

背景・課題
システムごと、手動でのID管理で高まる業務負荷
コロナ禍の環境変化を機に認証基盤の刷新を決断
教務部 薬学部 福祉総合学部 看護学部 担当事務長
大学院薬学研究科 福祉総合研究科 健康科学研究科
担当事務長 小菅 一吉氏

従前のID管理にまつわる課題解消のため、本プロジェクトを推進した小菅 一吉氏は、次のように明かす。「本学は学生と教職員を合わせて6,700名ほどが在籍しています。これまでは利用システムごとにIDとパスワードが存在し、ユーザーの追加や削除といったメンテナンスも、教務事務システムから出力されたCSVファイルをシステムごとに手動で反映して対応していました。コロナ禍で利用するSaaSやユーザー数が一気に増えたことで、日々の利用者からのパスワード忘れ、リセット要求が頻発。特に学生の入れ替えが必要な年度替わり時期の情報システム部の業務負荷は、もはや限界を迎えていました。」

副学長/情報科学研究センター長
経営情報学研究科/経営情報学部 教授
亀山 浩文 氏

副学長/情報科学研究センター長の亀山 浩文氏は、今回のID認証基盤改訂のきっかけを次のように語る。「2020年からのコロナ禍を機にWebexを用いた授業のハイフレックス化をはじめ、Microsoft 365やMicrosoft TeamsといったSaaS利用の急増など、学内の環境が大きく変化しました。学生のパスワード忘れが授業開催にも影響を及ぼすようになり、複数のサービス利用時に簡易なパスワードを使いまわすことは、セキュリティの面からもリスクが高い。これまでのような個別、人手による管理を見直す機会と捉え、ID認証基盤の刷新を決断しました。」

検討・選定
機能・連携・操作性の高さと文教での豊富な実績
対応姿勢も評価しExticの採用を決定

同学が求めた要件は、利便性とセキュリティ、運用管理性を両立するID認証基盤。同学は複数のサービスを比較検討した結果、2022年6月にExticの採用を決定した。

その決め手について小菅氏はこう話す。「一番の決め手は文教分野での実績の豊富さです。大学など教育機関はネットワーク環境、利用システムに加えて年度末に人員が大きく入れ替わるなど独特の文化がありますので、利用する教育機関が多いことは大きな安心感につながりました。また、ExticはオンプレミスシステムやSaaSとの高い連携性に加え、多要素認証やSSO(シングルサインオン)など本学が実現したい機能も備えており、さらにそれらが他のサービスに比べシンプルに実現できる分かりやすい操作性も魅力でした。」

さらに小菅氏は、エクスジェン・ネットワークスの対応姿勢も採用の後押しになったと語る。「スタッフの皆さんはIDや認証に関する知見が高く、大学業務がどういうものかも理解されており、我々と丁寧に向き合い話を聞いてくれました。今後の進め方についても、当方の要件定義の負荷を低減するアセスメントを提案してくれるなど、安心して任せられると感じました。」

導入プロセス
アセスメントで理想の姿を定め、
基盤構築と各システムとの連携作業を実施

2022年8月、同学の利用システムおよび認証状況の棚卸しを行い、理想的な認証基盤のあり方を定めるアセスメントからプロジェクトがスタート。システムごとに連携の順番と時期を定め、2023年4月からの全学利用開始を目標として、基盤構築および連携作業が進められた。同学では並行して新たなSaaS利用の開始や、既存システムや全学で利用するポータルサイトの更改なども進んでいたが、構築はおおむね計画通り順調に進んだとのこと。

また、プロジェクトでは構築と並行して利用者への説明手法についても協議が重ねられた。「教職員と在学生向けに既存システムからどう変わるのかという説明と、新規に利用する新入生向けの2種類のマニュアルを用意する必要があり、エクスジェン社に相談しながら、他の教育機関での事例も参考にして取りまとめました。大学は利用者のITリテラシーが様々なので、案内する際は『これまでバラバラだったパスワードがひとつになる』という利便性を訴求して技術的な細かい点はあえて省くといったアドバイスが参考になりました。」(小菅氏)

結果・今後
Exticによる新認証基盤は学内への展開もスムーズ
トラブルもなく安定して稼働

2023年4月、計画通りExticによる新認証基盤の全学利用が開始された。連携アプリケーションはMicrosoft 365、Teams、Webexのほか、ポータルシステムGAKUEN UNIVERSAL PASSPORT、オンデマンド動画共有Panoptoなど多岐に渡る。

学術情報システム部 情報推進担当課長(代行)
富岡 隆志氏

運用を担当する富岡 隆志氏は、その成果を次のように語る。「事前準備のかいもあり、学内への展開はスムーズでした。利用開始後もユーザーからの問い合わせはほとんどなく、不具合もなく安定して稼働しています。これまで頻発していたパスワードリセット依頼も激減し、複数の利用システムやSaaSの認証を統合管理できることで、学術情報システム部の業務負荷を大きく低減できました。ExticはSAML認証での連携性が高いので、今後利用するサービスが増えても安心です。」

また、同学は2024年度に入ってSAML対応アプリケーションの追加やFIDO2パスワードレス認証の適用、学認IdPの導入も実施。今後はユーザー側の混乱を避けるため今回は導入を見送った学内での多要素認証を実装することにより、キャンパス内のゼロトラストセキュリティ対応も視野に入れている。

小菅氏は今回のプロジェクトを総括して次のように話す。「認証基盤は一度切り替えると切り戻しができないプレッシャーもありましたが、ほぼ計画通り完了できました。エクスジェン社の方々は我々の要求や質問にも迅速に回答いただくなど遅滞なくプロジェクトを推進してくださり、連携先の各プロバイダーとも直接やりとりしてくれるなど、きめ細かく手厚いサポートに感謝しています。」

最後に亀山氏は、エクスジェン社への期待を含めて次のように結んだ。「大学におけるITシステム利用者の多くは学生であり、丁寧な対応が求められると共に、授業の実施という観点でも失敗は許されません。その中でエクスジェン社は我々の環境に寄り添い、丁寧にプロジェクトを進めてくれたことに感謝しています。Extic認証基盤の利用開始から1年半ほど経過しますが、ほぼトラブルもなく稼働しており、選んで良かったと実感しています。本学はこれからも様々な環境変化に対応していく必要がありますので、エクスジェン社の継続したサポートおよびテクノロジーの提供に期待しています。」


城西国際大学
21世紀を見通す、高揚感に満ちた新たな出発。豊かな自然、歴史、文化に彩られた千葉、先進性と新規性が刺激的な東京、対照的なキャンパスでの知的な営み。『つながる大学』として多様性を育みながら積極果敢に新たな学びを求め、グローバル時代ならではの価値を創り発信します。

千葉東金キャンパス
千葉県東金市求名1番地

東京紀尾井町キャンパス
東京都千代田区紀尾井町3-26

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