導入事例
成長を続ける事業展開を支えるID基盤にExticを活用 ~運用3年目で明かす、真の活用効果とは?~
セプテーニ・ホールディングスは2020年6月、ID基盤を従来のオンプレミス型のIDM製品からクラウド型ID管理(IDaaS)のExticへとリプレイス。 今回は、導入から約3年が経過した2023年4月現在の活用状況および効果について、情報システム部 共通インフラ課の高木大夢氏にお話を伺った。
導入時の事例記事サマリ
グループ全社のID認証基盤を、オンプレミス型IDMからクラウド型IDaaSのExticへリプレイス
セプテーニ・ホールディングスは、デジタルマーケティング事業、メディアプラットフォーム事業など幅広い事業を国内外に展開するグループ各社を統括する純粋持株会社。2020年6月にExticの利用を開始した同社は、各種SaaSからオンプレミスのActive Directoryに至るまで複数サービスやシステム、マスタ管理DBのID連携(IDプロビジョニング)およびSAML認証によるSSO(シングルサインオン)をExticで実現している。
導入時点でのExticの主な導入効果としては、
- サービス追加のたびにベンダー作業が発生し、1ヶ月程度かかっていたID連携作業が約1週間に短縮
- ハードウェア保守や連携時のベンダーへの外注も不要になり、運用工数および人員コストを削減
- SaaSへのSSOに加えて、SaaSおよびオンプレミス(Active Directory、DB)へのID連携を実現
など、従来のオンプレミス型ID管理製品(IDM)利用時の課題が解消された。
導入時点の事例記事は こちら
現在のExtic活用状況
ID認証とSSOの基盤として運用も安定、順調に利用範囲が拡大
導入から約3年が経過したExticの利用状況について、高木氏は「ID認証とSSOの基盤として運用も安定し、順調に利用範囲が拡大しています。」として、詳細を次のように語る。
「Exticは、傘下のグループ各社共通で利用するGoogle Workspace、Box、Microsoft 365、cybozu.com(kintone)に加えて、経費精算の楽楽精算、リモートアクセスツールのZscalerなどのID管理および、SSOに使用しています。現在の契約アカウントは2,400、そのうちシステムアカウントを除いたユーザー数は約2,000人で、導入時より約500人増えました。導入時に連携したのは全社共通システムのみでしたが、後に事業会社で運営するプロジェクトのドキュメントやタスク管理などの一部システムも連携。対象システムは7から12へ増加しています。その他、事業会社が新たなシステムを導入するタイミングで、SSOで利用したいというリクエストにも対応しています。」
Extic活用効果
属人化を防ぎながら、ID管理業務の効率化と作業品質向上を実現
同社の特長として、ITシステムは可能な限り各事業会社での導入と運用をポリシーとしている点が挙げられる。その理由を「コスト削減はもちろん、事業拡大のスピードに追従するため。」と説明する高木氏は、Exticの活用効果について「Exticを導入したことでID管理業務全般における手間や対応工数の削減、作業品質の向上、属人化防止につながっています。」として、その詳細を次のように話す。
誰でも使いやすい日本語UIで属人化を防止
「海外製品と違い、ExticはUIが日本語でわかりやすい。マニュアルも充実しており、それをもとに社内の手順書に落とし込んで運用しているので、ID管理に詳しくないスタッフでもそれらの手順書や既存設定を参考にしながらの運用が可能。属人化することなく、自社内で業務が完結できています。」
連携のしやすさ
「連携先のサービスを追加する際も自社内で完結できる点が、過去利用していたオンプレミス型のIDMとの一番の違いです。こちらも普段Exticを触る機会が少ない情報システム部メンバーでも、手順書や既存の設定を参考にしながら設定できています。」
人事異動やスタッフの入れ替えにも応じたID管理の効率化
「当社は近年、事業拡大に伴い人的投資に力を入れており、人員増加が顕著です。春には新入社員が100名単位で増えますし、業務委託スタッフも多いので入れ替えも多い。Exticはユーザーの有効開始日、無効開始日、削除日をあらかじめ指定しておくことで、ユーザーの有効化、無効化、削除を自動で制御できます。さらに当社では、Exticの機能を使ってマスタ管理DBなど主要なシステムとの連携、自動化の仕組みも構築しており、IDライフサイクル対応業務の大幅な工数削減と、作業品質の向上につながっています。」
ユーザー追加・削除の予約、柔軟な対処も可能
「Exticは不要なユーザーの削除漏れの防止や、ユーザーを事前に登録しておくことでスムーズな業務開始に備えることができるため、急な異動や業務委託スタッフの入れ替えにも対応しやすくなりました。レアケースですが、引継ぎなどで退職日後に数日システム利用が必要なケースもあります。そんな場合でも、Exticは画一的ではなく、柔軟に対応できるので非常に助かっています。」
多要素認証機能の導入効果
コロナ禍でリモートワークが急増、セキュリティ強化の重要度が増し、Exticの多要素認証機能を活用
さらに同社では、Exticによる多要素認証機能の導入によるリモートワーク時のセキュリティ強化も実現している。その導入目的と効果を、高木氏は次のように話す。
「多要素認証は働き方改革への対応として早くから検討していましたが、COVID-19感染拡大に伴ってリモートワークが急拡大し、オフィス外からの業務サービス利用が増えたことで、より重要度が増しました。多要素認証を実現するソリューションは世の中にさまざま存在しますが、当社ではExticを導入する時点から、標準機能として提供される多要素認証をExticで実現する計画でした。その理由は、当社が利用するリモートアクセスツールZscalerはSAML認証が必須だったため、Exticなら連携もスムーズであること。そしてツールを増やすことなく、ID基盤と統合して運用管理ができると考えたためです。コロナ禍がひと段落し、最近はオフィスでの勤務が増えて来ていますが、働く場所を選ばず安全に社内サービスが使用可能であることで、事業継続の観点でも貢献できています。」
当社サポートへの評価・今後の期待
常にスピーディで親身な対応を評価、さらなる技術情報の公開に期待
高木氏はExtic運用における当社の対応について、「自社製品ということもあり、対応スピードが非常に早く、待ち時間が少ないので助かります。技術的なことをサポートに問い合わせしても、おおむね3営業日以内には回答してくれます。その際も社内で検証をした結果をもとに回答をしてもらえるため、安心して本番環境に設定を行うことができます。また、関係ベンダーとの打ち合わせに同席してもらったり、困ったら直接やりますよ、と言ってもらえるなど、常に親身になって対応してくれます。実際に、多要素認証を実施する際、エクスジェン社には手厚い技術サポートをいただき、連携先のSaaS提供ベンダーとも直接やりとりしてくれたことで大変助かりました。」と高く評価する。
最後に高木氏は今後の展開について、当社への要望を交えて次のように結んだ。 「当社はこれからもExticで、成長を続ける事業を支えていきたいと考えています。そのため、当社がシステム連携などで問い合わせした際にエクスジェン社が社内で検証した内容をブログなどで公開してくれたら、参考になると思います。また、今後の機能拡張のロードマップを公開してもらえると、さらに安心して活用できます。エクスジェン社にはこれからも、ID管理にまつわる使いやすいソリューションの提供に期待しています。」
セプテーニグループは、2000年よりインターネット広告事業を開始した、インターネット広告業界の草分けとも言うべき企業である。持株会社である「株式会社セプテーニ・ホールディングス」が、グループ全体の統括・管理を行い、傘下の事業会社がデジタルマーケティング支援などの事業展開を行っている。積極的な海外展開を進めており、北米、中国、韓国、東南アジアでデジタルマーケティング事業を行う他、オフショア開発拠点としてベトナムに会社も設立している。2018年には株式会社電通との間で資本業務提携が行われ、ビジネスのさらなる拡大を目指し成長を続けている。