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大学教育環境のハイブリッドクラウド化とIDaaSの関係とは?
近年、大学IT環境のハイブリッドクラウド化が加速し、運用管理やセキュリティ対策のあり方が大きく変化しました。このような中、認証基盤もまた、見直しが必要と言われている分野です。そこで今回は、大学のハイブリッドクラウド化とIDaaSについて考えてみましょう。
大学情報システムのハイブリッドクラウド化とID管理ニーズの高まり
9割以上の大学が全部または一部をクラウド化※――文部科学省の調査によると、大学の情報システムのクラウド化が年々進められている様子が伺えます。とはいえ、フルクラウド化できているケースはあまり多くはないと考えられ、その多くがオンプレミスとクラウドを併用するハイブリッドクラウド環境や、複数のクラウドサービスを利用するマルチクラウド環境であることが考えられます。
このような環境で大学の情報システム部門が直面しているのがID管理に関する課題です。
管理するIDやパスワードが増える
オンプレミスのアプリケーションと複数クラウドサービスにログインするためのIDやパスワードをユーザーが管理する必要があります。情報システム部門にとっては、IDやパスワード忘れによる問い合わせ対応の手間が増えてしまいます。
オンプレミスとクラウド双方のID管理が効率的に行えない
オンプレミスのID管理システム(IdM)で学生のアカウント管理をしていたとしても、クラウドサービスに対応していない場合やID連携するには難易度が高い場合が多く、ID作成・削除・変更などの作業が発生してしまいます。
このように、ユーザーである学生の利便性と、システム管理面の双方の課題を解決するためにも、IdMが必要と考えられるようになりました。
※文部科学省 『令和3年度学術情報基盤実態調査』 (2022年3月)
ハイブリッドクラウドの課題をIDaaSはどう解決するのか?
今後もクラウドサービス利用が増えていくことが予測される中、ID管理を一元的に管理できる環境は不可欠です。その解決策の1つと目されているのが、IDaaSによりID管理もクラウド化してしまうことです。ID管理をクラウド化することで、下記のようなメリットが考えられます。
- 導入・運用・拡張・リプレイスなどの負荷軽減
- ビジネススピードの向上
- ITを所有から利用への転換(ITをサービスとして経費で利用できるようになる)
関連コラム: IDaaSとは何か?…「認証」と「ID管理」をチェックすべし
ここでは、IDaaSを導入することで、大学のIT環境における課題をどのように解決するのかケーススタディで具体的に見てみましょう。ここで取り上げるのは、(1)IDライフサイクル管理の効率化、(2)煩雑なログイン管理を一元化という2つの課題のケーススタディです。
【ケース1】IDライフサイクル管理の効率化
年度末から年始にかけて発生する、学生の入学・進級・卒業や教職員の異動などによる、膨大な量のIDの更新、アカウント数の増減への対応を効率化します。
※Exticの場合
【ケース2】煩雑なログイン管理を一元化
複数のクラウドサービスにアクセスする際に、シングルサインオン(SSO)を活用することで効率化が実現します。また、パスワードに加え、学生証などを組み合わせた多要素認証も可能です。FIDO2認証に対応したIDaaSであれば、パスワード不要で安全にクラウドサービスなどにログインできるようになります。
まとめ
大学環境におけるクラウドサービスの利用が進むにつれて、ID管理の課題が出てきました。こうした課題解決にIDaaS活用が効果的であることをご紹介しましたが、最後にIDaaS製品を検討する際の5つのポイントを紹介します。
- オンプレミスのプロビジョニングに対応できること
- 学認に対応していること
- ユーザー数に応じた課金体系
- サポート面で安心できること
- 実績・事例が豊富にあること
これらのポイントを参考にIDaaS製品を検討してみてはいかがでしょうか。また、大学におけるハイブリッドクラウド化とIDaaSについてもっと深く知りたい方は、ぜひこちらより関連資料をダウンロードしてみてください。